Judy Chicago「Merger Poem」日本語訳。たどり着きたいのはこんな楽園。

2018 6/27

2018.06.27 2020.08.28

NVCの”非暴力的”ってどういうこと？

NVC(Non-violent communication)の目指すところは、人が暴力性を選ばず、自分にも、他の生きているすべてのものにも、地球にも「非暴力」的な生き方。
ジョン・レノンの名曲「Imagine」に通じるものがあると感じます。
そんな世界観が濃縮された詩があります。2017年、熱海でのIIT（10日間のNVCの国際強化合宿）で、ポートランドのNVCトレーナー・カール・ステイヤートがシェアしてくれた詩です。世界がこんな場所になったらどんなだろう？とビジョニングできる優しい詩。
すべての人が持つと言われるニーズの中でも、特に重要なコアニーズが散りばめられています。
愛、力、優しさ、強さ、平等、つながり、思いやり、調和、いのち。
それぞれのニーズが大切にされ、つながる時、地球はこんな場所になっていくのでしょう。

愛と力が結婚するとき

詩の一節にある「And then compassion will be wedded to power」を聞いた時、胸がふるえ涙がこぼれました。直訳では「愛／思いやりが、力と結婚する時」。
愛とパワー、どちらだけでもなく、両方がドッキングすること。
女性の持つ愛と思いやり、男性の持つパワー。とも言われるし、
本来は女性がパワーで、男性が愛／思いやりの質をもつと言う人もいます。
女性の、太陽や水や空気のように無限にあふれるアイデアとコミュニケーション力、どんどんつながり産む豊さを、
男性の、いつもある太い深呼吸のような安心できる包容力と、誠実で深まる愛と、楽しく実行しなしとげていく力で具体化する時、世界がより調和的で愛ベースになると信じています。
過渡期として数万年、がさつに生きざるをえなかった歴史のなかで傷ついた男性性と女性性を癒し、互いへの不信をはがし、違いは大きくも欠かせないパートナーとし手を取り合って、見たい社会をつくる。新しい幕開けを感じています。

Merger Poem By Judy Chicago

And then all that has divided us will merge
And then compassion will be wedded to power
And then softness will come to a world that is harsh and unkind

And then both men and women will be gentle
And then both women and men will be strong
And then no person will be subject to another’s will

And then all will be rich and free and varied
And then the greed of some will give way to the needs of many

And then all will share equally in the Earth’s abundance

And then all will care for the sick and the weak and the old

And then all will nourish the young
And then all will cherish life’s creatures

And then everywhere will be called Eden once again

「だんだん　つながり　とけあって・・・」

詩：ジュディ・シカゴ　　訳：藤井麗美

それから　分断されていた　すべてが　つながり　とけあって
そして　愛が　パワーと　結ばれる
そして　とげとげしい　意地悪な世界に　柔らかさが　やってくる
そうして　男も女も　優しくなる
そうして　女も男も　強くなる
そして　誰も　誰の支配下にいない
そのとき　みんな　豊かで　自由で　多様である
そのとき　誰かの欲ばりは　みんなのニーズに　道をゆずる
そのとき　みんなは　この惑星の豊かさを　平等にわけあう
そして　みんなで　病の人　弱き人　老いた人を　きづかう
そして　みんなで　若き人を　育てる
そして　みんな　生きとし生けるものを　大切にする
そのとき　人は　人と地球の調和の　中に暮らす
そのとき　あらゆるところが　エデンと呼ばれるだろう　もう一度

エデン by ジョゼフ・キャンベル

「スター・ウォーズ」を作るときに、ジョージ・ルーカスが徹底的に読み込んだという「神話の力」という名著があります。
まほうつかいの世界でもカリスマ的な本です。
あまりにも引用されることの多い「Follow your bliss（あなたの至福から生きなさい）」に続き、昇天しかけるくらい美しい「インドラのネット」の逸話に続き、エデンについての言及があります。
このページは私にとって宝石箱のようにうっとりなページ♡

モイヤーズ：エデンがこの地上にありますか？この、苦痛と死と暴力にあふれたこの世界に？

キャンベル：そう見えるでしょう、でもそうなんです、これがエデンです。この地球上に天国が広がっているのを見るとき、世界における古い生き方は滅びる。それが世界の終焉です。世界の終焉は、来るべきイベントではなく、心理的な変容、ヴィジョンの変革です。そこには、物質世界でなく、まばゆいばかりに美しい喜びの世界があります。
「神話の力」p.474 。訳は私。

注. 私は宗教がキライで、宗教を持ってはいません。海外で選択する必要があるときは「禅」とこたえています。美しいものが好きで追ってきたら、形而上学やスピリチュアリティの世界にたどり着きました。結果として、それは宗教がずっと説明してきた「大いなる愛」の世界と近いと思っています。が、宗教の枠組みを使わなくても、いまはいろんなアプローチでそのお山の頂上にアクセスができる、というのが私のスタンスです。量子力学とかヨガで体からとか。信仰を持っている人方々の、魂の清らかな生き方は尊敬しております。