アート・オブ・ホスティングに「Chaodic Path(ケイオディック・パス)」というコンセプトがあります。
チェンジメーカー仲間に話すと、「それだ!」とばかりに顔が光って「すごくいいモノサシを手に入れた」と言われる名刀のような存在です。
くふうとまほうの技を世界で集めまくっている私にとっても、アート・オブ・ホスティングは「新しい魔法ゲット!」と言う感覚。
アート・オブ・ホスティングがいったいなんなのか?私にはまだ全貌をつかめていませんが、社会的生き物である人類にとって、重要な可能性が眠る鉱脈だという手応えがあります。
「ホスティングのアート」ってなんだろう?「アート」とは、芸術であり、同時に技法・ツールを意味しているはず。では「ホスティング」は?
アート・オブ・ホスティングのオフィシャルサイトでは、こう定義されています。
“Hosting is an emerging set of practices for facilitating group conversations of all sizes, supported by principles that:
– maximize collective intelligence
– welcome and listen to diverse viewpoints
– maximize participation and civility
– and transform conflict into creative cooperation.”definition offered by the core team of AoH practitioners, Upper Arlington, Columbus Ohio
出展:http://www.artofhosting.org/resources/
訳します。
ホスティングとは、あらゆるサイズのグループの会話を促進する、新しい実践の仕組みです。
それは、以下の原則に支えられています。– 集合知を最大化する
– 多様な視点を歓迎し耳を傾ける
– 参加と丁寧さを最大化する
– 対立をクリエイティブな協働に変容させる(この定義は、AoHの実践者のコアチームによって作成されました)
対立関係にあったりする人たちの間で、関係性を諦めることなく、みんなの意見が聞かれ、みんなの存在が大切に扱われ、その上で、イノベーティブな解決法をみんなで見つけ出す手法なのかな?と思っています。
以下、アート・オブ・ホスティングの名トレーナーであるクリス・コリガンの講義からの学びのシェアで、ケイオディック・パスについてお伝えします。
日本の社会変革者たちに、アート・オブ・ホスティングの紹介をするソーシャル・チェンジ・ブートキャンプにて。
速度優先でお出ししていて、文章もイラストも雑ですが、時間を見つけて書き直していきます^^
ケイオディック・パス by クリス・コリガン
ストーリーテラーでもあるクリスは、こんな風に話を始めます。
この予測不可能で、常に変わり続ける世界の中に生きる私たちは、戦地における戦士のようなものです。
私たちはみんな戦士です。よろこびの戦士、ハートの戦士、いろんな形があります。
「社会変革を目指すみなさんならばカオスは怖くないですよね」と優しく釘を刺した上で(笑)ケイオディック・パスの説明を始めるクリス。
ここにカオスとオーダーがあります。
「カオス(混沌)」は予測不可能で、常に変わり続けるもの。つまり「Life(命、生活、暮らし)」です。
(深く息を吸い、吐く)「オーダー(秩序)」。どうかな?落ち着くよね。
アカウントビリティ(説明ができること)、明瞭さ(very clear)、きちんとしてる(organized)、結果が予測可能で安心する(outcome predictable)などがオーダーにはあります。
オーダーは、電車の運行システムのようなものです。電車のシステムでは、カオスとオーダーは優雅なダンスをできません。
では、森だったら?カオスとオーダーが美しくダンスします。すべての木も葉も異なっていて、すべての命が異なった自己表現をしている。
人間界ではどうだろう?カオスが大きすぎるとオーダー好きの人はイライラします。そしてコントロールに走ります。
反対に、カオスが行き過ぎるとハモス(Chamos)に至ります。カオスが悪化した状態です。ギリシャ語に由来します。
全部をバラバラししちゃうような力です。そして絶望(dispair)へ至ります。
自由を大切にする人にとっては、コントロールが絶望であるかもしれません。
カオスを信頼しないでコントロールに行くこともできるし、オーダーを信頼しないでハモスに行くこともできる。
despair:
絶望、意外に、失望・落胆。また、それをさせる人や物=厄介者、悩みの種。などの意味も含みます。
このPath(道)の両脇でバランスをとりながら、「あ、これは行き過ぎかな、じゃ、ちょっと反対側に寄ろうかな」など試行錯誤してダンスしていきます。
目指したいのは参加型リーダーシップ
参加型リーダーシップ(Participately leadership)」とは、創造性をつなげるための「Art(アート、技術)」です。
ハモスやコントロールの状態になると人はアパシー(無気力)に陥ります。
疲れてしまい、つまらなくなり(uninspired)、やる気を失います。
かたや、ケイオディック・パスでは、積極的な参加(engagemen)と同時に創造性(creativity)も与えます。アジャイルな組織も作れます。変革を愛しながら、フォーム(形式)の提案もできるという状態です。
それはまるで俳句のよう。
制限の中で書きます。なにを書くかはお任せだけれど、フォーム(形式)だけが与えられている状態。
アート・オブ・ホスティングもコミュニティも俳句と一緒です。
Chaodic confidenceを持とう
現実的には、グループが秩序でこう着状態に陥ったらカオスを呼び込んだり、カオスになったらフォームを採用したりの練習が必要です。
クリスは4 fold practiceを提案していました。ここでは説明を省きます。ご関心のある方はクリスによる4 fold practiceの説明をどうぞ。
小さなアクションから始め、人々と共にい続けてください。あなたが過ごしてきた人生とは違う人生を持っている人と共に過ごせます。多様性を実践的な場にするのが、このチャレンジです。
いつも人類は、命・生活が大変な時にクリエイティビティを発揮している。それを生かしたい。
コミュニティにおけるリーダーシップの実践へようこそ。
ケイオディック・パスを知っていることで、しっかりとしたところを歩くこともできるし、壊しながらも行けます。
と社会変革を35年やっているクリスは言います。
イベントの中で「社会変革歴の順に並んでみよう」という時間がありました。
もちろんクリスが先頭でしょ!と思いきや。
私、8歳から社会を変革したいと考えて行動しているなあと計算したら、社会変革歴36年!最長老になってしまった!
クリス、私を前に入れながら「俺たちはサバイバーだね(よく生き抜いてきたよね)」と笑ってきます。
あんまり自覚がなかったのですが、たしかに自分は社会変革オタクだな、と後から深く実感させられました。
そんなオタク魂で、世界を変えるたくさんの人たちと歩きたいケイオディック・パス。
そのダンスを実践するためのツールのひとつ「ケイオディック・ステッピング・ストーン」について、6日かけてこちらにまとめました(ほんっとオタク 笑)。