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絶望を語るパワー。伝説のメアリー・オリバーの詩「ワイルド・ギース」

Wild Geese by Mary Oliver

2019年2月に亡くなり、世界の多くのファンを悲しませた偉大な詩人のひとり、メアリー・オリバーの「Wild Geese」は、多くの人の人生を支えてきた、支え続けていく詩です。

You do not have to be good.
You do not have to walk on your knees
for a hundred miles through the desert repenting.
You only have to let the soft animal of your body
love what it loves.
Tell me about despair, yours, and I will tell you mine.
Meanwhile the world goes on.
Meanwhile the sun and the clear pebbles of the rain
are moving across the landscapes,
over the prairies and the deep trees,
the mountains and the rivers.
Meanwhile the wild geese, high in the clean blue air,
are heading home again.
Whoever you are, no matter how lonely,
the world offers itself to your imagination,
calls to you like the wild geese, harsh and exciting –
over and over announcing your place
in the family of things.

いい人である必要はありません。
砂漠の100マイルもあるような道を、
膝ではいつくばり、後悔で這い歩くようなことをする必要はありません。
ただ、あなたの中にいる柔らかな生き物が愛しているものを、愛してあげればよい。

絶望を聞かせてください、わたしに、あなたの。
わたしもお聞かせします。
この世界がまわっている間に。
草原を、森を、山を、川を、
太陽が、透明の雨つぶたちが風景をめぐるあいだ。

透きとおった青空高く、野生のガンが、家路をたどっているあいだ。

あなたが誰だろうが、どれだけ孤独だろうが、
世界はそのものとして、あなたの想像力に差し出されている。
耳障りでワクワクする、
野生のガンのように、あなたを呼んでいる。
あらゆるものの中から、あなたの場所を、何度もなんども呼びかけているから。

(藤井麗美 意訳)

こちらの方の訳があまりに美しいので、ぜひこちらをご覧ください。オリジナルの英文と同じくらい美しいです。

この詩は社会変革運動のカリスマ、ジョアンナ・メイシーの動画で知りました。

男児をふたり抱えて、仕事と家庭でアップアップな状態の時、この詩に出会った女性のお話
リアルです。涙しながら読みました。
すべての奮闘するお母さんたちに。

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