インナーチャイルド X NVC(共感コミュニケーション)
NVC*という他人と自分と深く繋がる技法と、「インナーチャイルド」という、幼少期の自分の満たされない思いに気づくワークが統合されているプロセスのデモの紹介です。
*NVC:非暴力コミュニケーション。臨床心理学から出てきたコミュニケーション手法です。
共感コミュニケーションと呼ばれることも多いです。
人生から「敵」と感じる人がいなくなり、とても生きやすくなることから、私は「無敵のまほう」と呼んでいます。
このプロセスはNVC界のリーダー的トレーナーのひとりであるキャサリン・ジンガーが2014年の国際合宿(IIT)で教えてくれたワーク。
私にとっては、かなり大きな自分の中の課題を扱う時に覚悟して使う重量級のまほうです。
IITではていねいな座学と、場にいるたくさんの人たちのケースをデモで扱いながらの学びでした。
ここでは、私の解釈による簡略版でお伝えしています。
私はIITの講義中にひとりでやったらつまってしまいプロセスを最後までできませんでした。
当時渦中にいたディープすぎる問題を扱ったからかもしれません。
深いプロセスを扱いたい時は、インナーチャイルドワークやNVCやカンセリングに長けた人のサポートが必要なケースがあるかもしれません。
(写真:日本で初開催されたNVC国際合宿(IIT)でキャサリンにサインを求めたところ書いてくださったもの。コワモテで揺るがない感じだけど、根底に愛があふれているのを感じられる、パワーと愛の人)
簡単なプロセスのシェアと、自分の経験をデモとして記します。
これをきっかけに、NVCやインナーチャイルドワークに触れ、生きやすくなる方が増えてくれたらうれしいです。
インナーチャイルドとは?
プロセス1:いやな出来事を思い出す
自分にとって心地よくなかった出来事を思い出します。
ふたつのことが出てきたので、同時にやってみます。
その1)小学生の頃、よく勝手口から世界に向かって大声を出していたことを思い出しました。
「助けて!」って。両親は仕事で平日の夜、家にいなくて。
私と弟のお世話は祖母が。
亡くなった後にアルツハイマーの症状を知ったら、なんだアルツハイマーだったのかと理解しました。
いいおうちの奥様だったので、戦後の混乱期によく盗難や詐欺にあったそうで、猜疑心と思い込みが強い人でした。
「人を見たら泥棒と思え」という世界観。
私と弟のことは愛してくれていたけど、以外のすべての人へを仮想敵にする人でした。
特に私たちの父へのエネミーイメージが強くて話がかみ合わなかった。
私たちの洋服や小物も全部、彼女の管理下(鍵つき)におき、しまったものが出てこないこと多数。
はじめての恋人にもらった指輪も数日でなくなりました。
見つからないと、盗難にあったと警察を呼びます。。。たび重なる呼び出しに警官もあきれ顔。
子供ながらに祖母は頭がおかしいと思って、世界に叫んだけど、助けはこなかった。
その2)5歳くらいの頃か。母に勝手口から庭に押し出され、鍵を閉められることがありました。
出されないように全身で頑張るけど、足で押し出されて、閉め出されます。
プロセス2:そこに出てくる ”べき” 思考とトリガーを見つける
5つくらい、そこに出てくる ”べき” 思考をゆっくり出します。そして、一番トリガーになる思考を見つけます
- 母は子供に安全な環境を用意すべき
- 本当じゃないことを言ってはいけない
- 子供なのに、こんな目にあわせるなんて!
- (アルツハイマーとかネグレクトで)育児ができないならギブアップすべき
一番くるのは「3.子供なのに、こんな目にあわせるなんて」
私が息子を追い出そうとしたり蹴り出すなんて、絶対しないし考えられない。
時代的に当たり前だと思っていましたが、自分が親になってみると、「罰」を与えても改善はしないし、もっと他にたくさんやり方はある。
止めない他の大人(父、祖母)もどうなの?
他のいろんなことも思い出すと、私が「将軍」として防御&ready to attackの鎧を着たのはノーチョイスだったと感じる。
私は社会正義への関心が強く、中でも少年兵への同情がありました。
「武装するしか生きる道はなかった」という点に共感があったのかも(おおげさか)。
社会正義への関心と、オーソリティを恐れない態度も、ここからくるのかも。
プロセス3:感覚をチェック
それを3回口にする。からだのフィーリングを書き出します
「怒り」や「反感」を予測していたら、「悲しみ(絶望)」と「痛み(打ちのめされる、惨めだ、傷つく)」でした。
プロセス4:類似体験を探す
過去にさかのぼり、類似体験を探します
母は子供に興味がほとんどなくて、一緒に歩いてお話しするよりスタスタ行っちゃうタイプ。
「私、つまらないのかなあ」「ママは、私といることに興味ないのかなあ」といつも思っていました。
足が速いし、一緒に食事をしていても、私が遅いと(食べるのが標準より遅いこともあり)先に会計を済ませて出てしまう。
書きながら、わあ、これ、元夫からも感じてた!と発見。
自分の自己価値の低さとつながっていそうです。
プロセス5:コア・ジャッカルのメッセージを探す
コア・ジャッカルとは「メンタルモデル」と呼ばれる、「人生をうまく生かせない呪いのパターン」のことです。
小さな私がライフ・フィロソフィー(人生の真実、護符)として人生に取り入れてしまったメッセージです。
機能としては「呪い」なので解除が必要です。
「私は庇護されていない」「誰も私を助けてくれない」
わ、もっと強いのがあった。
ほらね。誰も私のことなんか大事にしない
涙とともに、右腕に痛みが走ります。
パリで孤独な育児してた時の産後うつ感もよみがります。なんだこりゃ。
この呪いは、この信念を上書き確認するごとく、人生のバックグラウンドで作動し続けるスパイウェアです。
プロセス6:満たされなかったニーズを見つける
ニーズとは、感情の奥にある「いのちのエッセンス」です。
感情や思考を発生させる、心の奥にある宝石のようなもの。
この宝石は100個前後あると言われていて、私の経験では、すべての人がこの「質」に触ることができます。
ニーズの一覧はこちら。
この時満たされなかったのは、TO MATTERというコアニーズグループにあるニーズ
- To be cared/ケアされること
- to be heard/聞かれること
- to be seen/見てもらうこと
- to be understood/理解してもらうこと
それから
- Love(愛)
- belonging(属していること)
- support(サポート)
- hope(希望)
- physical-safety(身体的な安全性)
- choice(選択)
- space(空間、余裕)
- 優しさ
- presence(存在)
- inclusion(含まれること)
どれだけ長いこと、それらのニーズが満たされてなかったか、なげきます。
プロセス7:そのニーズの美しさに触れる
その出来事の以前は、それらのニーズが満たされていたかもしれません。その時のことを思い出して、細胞の一つずつで、そのニーズが躍動しているのを感じてください。または、これらのニーズが満たされたと想像し、味わいます。
このケースは重かったので、応用編としてまほうつかい仲間からのアドバイスを総動員し、一人でインナーチャイルドワークに入ります。
スピ度が高いので、苦手な方は飛ばしてください。
友人まほうつかい(ギトちゃん)との3日前のタロットセッションでしつっこいくらい出た「fighting(将軍)」のカードから来たメッセージを受け取ります
「守るために鎧を着ているのはわかるけど、鎧を着ているからいつまでも傷が癒える余地がない。愛をその中に入れ、鎧を脱げ。そして愛を受け入れ、自らも無条件の愛となれ(その方が強いから)」
抵抗があったソレをやると決め、ワークへ。
カブトも甲冑も小手もくさび帷子もすべて脱ぎ、カルナレイキで自分を癒し、ハイヤーセルフがかつてなく光を送ってくるのを受け入れ女神性を最大に開き。
傷ついた翼を完全に癒し始めますz。
大きな白いフサフサのそれは美しい天使の翼をはじめて認識。白いサテンのドレスを着て、髪を長く右側に垂らし、レムリアンクオーツを持ち。
ママに庭に落とされ大泣きしている5歳のレミちゃんのところへ行く。
息子をあやすように「大丈夫だよ」と抱きしめ、黒いつやつやのストレートヘアを撫で続ける。
私が、30-40年後のレミちゃんであることを伝え、いまのレミちゃんからは想像もできないような幸せな人生を送っていることを伝える。
美しい人たちと、世界中をめぐり、夢のような冒険人生を過ごしていること。理想の結婚をし(たことがあり)、素晴らしい男児を育てていること。
いま小さなレミちゃんが経験していることが、「他の人の痛みや悲しみを理解するだけのための経験であり、ママに拒絶されていることが、あなたの価値とは何のつながりもないんだよ」とお話しする。
「小さな細い体で、庇護のない中、お姉ちゃんとして、わけわからんちんのおばあちゃんと母と、家にほとんどない父相手によく頑張っているよね。学校に行くのだって大変なのに」とねぎらう。
「私はいつでもそばにいる。無条件の愛で、くる。あなたが幸せになることは知っている。私はあなただから」
レミちゃんが落ち着いたので、「いつでも呼んでね」と互いのコードを優しく切り、グラウンディングまで済ませカルナレイキのサイキックサージェリー(スピリチュアルな手術)を終えて、戻る。
もう、小さなレミちゃん大丈夫。
プロセス8:プロセス1をふりかえる
そのエネルギーの美しさを持って、1の出来事を振り返ると、どう違って見えますか?
「まあ、変な家に生まれちゃって大変だったけど、それは外側の出来事で、内側でこれがいつもホールドされているから大丈夫」って確信になる。
ここまででプロセスはおしまい。
感想
すべての人は「母」から生まれていて、「母」の存在は圧倒的。母が「愛」であること。「いかなる時も、なるべく非暴力的なあり方であること」が、本当に本当に本当に、世界にとって大切だと思いました。社会のすべてのリソースをここに賭けるくらいの価値があります。
私にできることとしては、おかあさん向けのNVCを、とにかく広めていきたい♡
この体の痛みが出た日、息子に「ごめんね。ママ離婚の傷がまだ癒えてなくて、ストレスが体にきちゃったんだ。今日はあまり家事や育児ができない」と説明。
寝る前に、息子が目をこすり「思い出したくないことを思い出しちゃうのが嫌なんだけど、どうしたら思い出さないんだろう・・・」と
(わ、なにそれ!初めて聞いた・・・即対応したいけど、無理だー)
母「その思い出したくない内容のこと、聞いて解決してあげたいけど、今日聞いてあげられる余裕がなくて本当にごめん。レイキするよ」
と、2人にレイキをかけながら、息子の手をなでながら出てきたのが「せいちゃんが、ずっと幸せでありますように。すべての子どもたちが不安なく幸せに暮らせるのが当たり前でありますように。ママがしたような悲しい思いをせずに済みますように」だった。
息子は、ショックのエネルギーを出しすぐ寝ました。。。
夫には、こういう話をするシチュエーションはなく、息子には私の悲しい幼少時代の話はなるべくシェアするようにしています。
息子との関係性のバイアスや呪いとしてギクシャクすることがあることを理解して欲しくて。
誰のせいでもない、特に息子のせいではない、と。
それは、機能している気がします。
私がやつあたりで怒った時に、落ち着いてから、こういうトリガーがあってこういう構造で怒ってしまった、と説明すると。
「7割自分のせいだと思ってた!」
いや「せいちゃんの分は1割くらい。あとはママと家系の問題」と言うと安心します。それにあぐらをかくこともしないので、親のメンタルモデルを開示しておくのはいい気がしています、いまのところ。