誰かを傷つけたときは「ごめん」のかわりに「共感」

別れたBFたちから時間が経って「あの時はごめん、レミを傷つけた。後から反省した。また会えるかな?」って連絡が来ることがあります。
昔から出会いが多く人間関係が飽和状態。関係性は「ちょっと試してみて、うまくいかなかったら、まあいっか!」と、終わった関係性に執着しないタイプ。うまくいかなかった人と会いたい気持ちもないし、幸せでいて欲しいとは思うけど、その人の近況を知りたいとかまったくありません。たがいに相性が合わないと合意の上で別れたわけで、なぜまたやる必要があるのだ?

で、元カレたちから連絡が来るときには「久しぶりー、ありがとうー、会えない」って返信。
男ともだちに「なんなの、あれ?」って聞くと「男は未練がましいから」「正直、ワンチャンあればラッキーくらいだよ」「昔の彼女は、細部まで知り尽くした洞窟みたいなもので、どこに松明(たいまつ)があるとかわかってるから気やすく行ける。そんな洞窟がいくつもあるのが理想」的に言われます(いろんな男性がいるのだろうとは思います 笑)

なんだろ、この違和感

最近もそんなメッセージをいただいて、「ん?」って違和感を感じ1か月以上返事ができなかったことがあります。
読んだ瞬間感じたのは、驚きだった。
「あれ?わたし傷ついたっけ?」(なにせ忘れっぽい・・・覚えてたいことでもなし)
「傷ついたとしても、それは自分の責任として処理したよな?(過去にブログいくつか書いてるし)」
「彼に傷つけられたって思ったことあるかな?ないんじゃないかな?彼が暴力的な思考と言葉づかいをするな、とは思ったし伝えてるし。わたしに会うことよりボクシング番組優先されたことはかなりショックで大泣きしたけど、それは相手の事情が優先されるしな。彼が自分に正直に生きていることが、わたしにとってはショックだったとしても、それはわたしの問題だからもうお片付けしたしな?(むしろ面白くない?関係がかかってるタイミングで私よりボクシングを選ぶって!いまは笑える)」
「もしそう思ってくれてたのだったら、直後とか2か月後だったら友情くらい残せたかもしれないけど、もう1年経ってるしなぁ。なんでそのとき言わないんだろう?(謎)」
と、理解ができなかった。

謎すぎて考え続けると、時間と共に「後から反省するくらい暴力的なこと、事前に少し考えて、しなければよくない?」「暴力的な生き方してるからそうなるんだよ。きっと他の女性ともおんなじパターンでしょ?」
っていらだちまで珍しくでてくる(←NVCをガチでやってると、こういう批判感情を人に抱きにくくなります)

NVCでひもといてみる

そんな折、めぐちゃんが編集&翻訳したNVCの素晴らしきアンチョコ「評価のリスト」の使い方をお伝えするワークショップを開催。
その中で、この違和感を扱ってみました。

「評価のリスト」は、NVCを学び続けていて日々の生活で効果的に生かしたい人にぜひ使ってほしい表です。リンクと使い方はこちらの記事をご参考に。
NVC中級者以上でないと、一人では使い方が難しいってフィードバックをいただくこともあります。
たまにクラスやっているので、どうぞ。

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ペアを組んだ方と一緒にみていくと「unheard(わたしの話は聞いてもらえてない)」がひっかかりのようです。
わたしは彼のことが好きだったし、NVCを生涯実践している身として、彼がどんなに暴力的な言葉づかいをしていても、その裏にある想いをこそ知りたい、突破して、より彼のことを知って関係性を深くできるって信じてたから、つながりたいと思ってちょっとがんばった。
NVCは、いい人になるための非暴力的な学びではなく、関係性の質を高めることを目指しています。そのために、つながり続けることを諦めないためのコミュニケーション・テクニック。お互いにその思いがあれば魔法的な和解の瞬間が訪れます。
NVCを教えていても、100%非暴力の人にはなりません。
冒頭に書いたように人間関係は多すぎてふるいにかけていく感じなので、基本的に関係性に執着はないし、自分の傷も深くしたくはないので、自分を守るためにもいつもちょっとだけ、は、がんばる。そして、相手が一緒に関係性を続けるためにがんばるかは、みてる。わたしは彼の暴力性の裏にあるものを知りたくて質問してたんだけど、答えはかえってこなかった。
「レミみたいにうまく説明できないから」「何を言っても言い訳に聞こえるから」って。
わたしと関係性の質を保ったり高める気はないんだなって判断して、それっきり。
わたしとしては、質問に答えが返ってきてないステータス。

デモを一緒にしている方とみていくと「質問に答えてない上に、共感もない」って思考が出てくる。
「わたしが言ったことちゃんと聞いてた?」「まず、そこから回答するのが順番じゃない?」みたいな思考が、はじめて出てくる。
「評価のリスト」をみながら誰かと話していることで、思考のプロセスが進み、「違和感」以上の感情にアクセスができてくる魔法。自分ひとりでは行けないところ。
「評価のリスト」によると「unheard(わたしの話は聞いてもらえてない)」って感じる時にありがちな感情は「Sad, hostile, frustrated, angry (悲しみ、敵意、イライラ、怒り)」。そうだね。
その裏にありがちな満たされていないニーズは「Understanding, consideration, empathy(理解、配慮、共感)」
うーん「共感」。刺さりまくるわ、それだ。
わたしには「共感されたい」ニーズがあまりなく。ストレングスファインダーでも23位と低く、関心がない。自分で編集しているニーズシートからも削除してます。「”共感”っていえばすむと思ってんなよ!」みたいな反抗心もあり。より繊細に「聞いてもらうこと」とか「理解されること」にブレークダウンできるし、した方がいいと思ってます。
なので、自分のニーズが「共感」だとは、よもや思わず。
この場合の「共感」は「理解されること」とか「コミュニケーション」とか「受け入れられること」とか「愛」とか「優しさ」にブレークダウンできる「共感」な気がします。
そっかー、へー、わたし、彼からただ共感がほしかったんだー!と目からうろこ。
それだけでも大発見なところへ、相手の方が「そう言えばこんな話を聞いたことがあるよ」と。
以下はわたしの意訳なので、もしオリジナルと異なっていたらごめんなさい!

「ごめん」も暴力

それはNVCの創始者で、いまは亡きマーシャル・ローゼンバーグの逸話です。
性犯罪の加害者(男性)と被害者(女性)がいて、ふたりを前にマーシャルが調停(話し合い)をしているシーンだと思います。
加害者が被害者に「ごめん」と言った時に、マーシャルが「”ごめん”も暴力なんだよ。ただ彼女に共感して欲しいんだ。どう感じたのか、君に感じて欲しいんだ」と。そして「謝る」以外の方法でつながることができるまで、その話し合いをしたそうです。
わたしの周りには性犯罪を受けた友人が何人かいて、その後ずっと泣いたり怒っていた彼女たちを思い出し「そうなんだろうなあ」と深く味わいました。「ごめん」って言われても「じゃあ、なんでやったのよ!!!!!」「その後、私がどんな人生を生きてきたと思ってるのよ!」以外ないよな・・・「ごめん」では何も浮かばれないよな。

ペアワークを終えグループセッションにもどりその話をすると、別の女性が「”ごめん”って言うことで、言った側はすっきり完結した気持ちになるかもしれないけど、そうじゃないよね」。
また他の女性は、自分の言動で女友達が傷ついたことに対して「ごめん」と言い続けているのに、彼女が受け取ってくれないことを「その”ごめん”も暴力だったのか・・・」と。

うかつに言えないね、「ごめん」

共感的であるということ

そもそも今回は、わたしがようやく傷が癒えた感じがして、NVCやってるわけだし、人と分断してるのはよくないよな、友達としてまた会えるかもって思って連絡したら来た返信だったんだけど。
彼の返信を見た瞬間、会う気を失った。
じゃあ、彼がどういう言い方だったら関係性を損なわなかったのかなってところまで一歩踏み込んでみたいと思う。
NVCでは、自分に正直かつ相手をupset(怒らせない)コミュニケーション方法を学びます。
彼の真意はまったくわからないままだけど、
「レミに早めにスケジュールを押さえられることやおねだりされることで、自分の自由主体性が損なわれる気がして不快だった」とかがあるのかな?
みたいな考えが、はじめて出てきます。
そういえば、この1年、わたし彼への共感がどうしてもできなかった(する気も起きなかった)。

これが「自分に共感できると、やっと相手への共感ができはじめる」マジックの瞬間
「何を言ってもレミにやり返されるだろうと思って、だったら下手なことを言わない方が安全だと思った」とかもあるのかな。
安全や尊厳やフローや自由や主体性や選択や気楽さ。が大切だったのかな。自分を大切にすることをしたかったのかな。自分のそれらのニーズを、わたしに理解して配慮してほしかったのかな。
(「言わなきゃわかんねーよ」という批判もただちに出てくるけど♡)
彼は当時「プライドがあるから」「お互いプライドが強いから」「年上だから立ててほしい」っていう言葉にひっくるめてて。
因数分解したらこういうニーズになるのかもしれない。
そう言ってくれたらよかったのに。
わたしが聞きたかったのは、その因数分解の答えだったから。

人は自分のニーズを守るために、いろんなバウンダリー(境界)を引く。彼が彼のニーズをその瞬間守りたくて暴力的な言動をしたことを、(NVCしてるから)理解はできる。
そして、わたしにも「もっと一緒にいたかった、もっと愛されたかった」っていうニーズがあるから譲れなかった。

それがわかれば、それでよい♡
「コミュニケーションパターンやタイミングがかみ合わなかったんだねー」ってことがわかればそれでよかった。

わたしが連絡とったのは、ただそういう話(合意形成)がしたかっただけ。
その上で、楽しい友人に戻れるなら新しくていいなと思ってた。
で、NVCやってない人とは、しにくいよね、やっぱね!
という結論!
どうか未就学児から必須科目にしていただきたい、NVC。

4時間かけて書き、最後に通読し、彼のこと好きだったんだなー、と(笑)
わたしは恋は同じスピード感や濃密さでしたいタイプ。彼には違う恋のcriteria(条件)がある。ただそんだけ。きっと、波が合うように、好きなときにタイミングがあって会えて、その波が月に1本でもあったら上々じゃん、くらいなのかもしれない。で、わたしは、そうじゃない。


トップの写真:サーファーの彼と行きたかったバイロン・ベイ(サーフィンのメッカ)。一緒にいて、楽しんで、もっと愛し合いたかっただけ。コントロールもプライドもない。彼に「女はこう」とか「レミはこういう女だ」って謎の眼鏡(バイアス)がかかってたのかもしれない。そして、それはわたしが扱うべきものじゃない。
っていう健康的なバウンダリー(境界線)も大切。ボクシングよりわたしに価値がないわけじゃない(と言い聞かせる 笑)

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