NVC(非暴力コミュニケーション)というコミュニケーション方法をお伝えしています。人間関係で無敵になって、もっと幸せになるための聴き方と伝え方ができるようになる技法です。7年間実践し続けていることで、日常生活でイラついたり、人との行き違いが大惨事になる事ほぼなし。
「NVCを定着するためにどうしたらいいですか?」と聞かれるたびに一番お勧めしているのは共感バディ!
共感バディとは、1対1でお互いの話を聞き合い、NVC的な聴き方をしあう練習の仕組みです。
さて、トラブルのないわたしでも、恋愛だけがうまくいきません。
1年半前にお別れした彼へのわだかまりがまだまだあって落ち着かないので、共感バディをしてもらいました。
共感バディのステップ1
この日の共感バディゆかさんに、5分程度でモヤモヤを聞いてもらいます。
「彼とスイートな関係だったのに幸せな終わり方ではなかったことで、今でもいらだちがある。一方、彼の優しさや彼との楽しい夜を毎日思いだしもする。そのことに時間も使うしエネルギーが漏れるしなんとかしたい。という気持ちだけが強くあって、対処法は見つからない。復縁したいわけでもなし(不倫だから)」
というお話。
こんな話をNVCしない人にしたら、こういうレスポンスがくるかと思います。
「もう1年半前の話でしょ。早く次の男探したら?」「もし彼が独身だったらどうしたい?」「しょせん不倫なんだから、いつかは終わる運命だったじゃん」「戻りたいなら連絡すればいいし、そうじゃないなら忘れなよ」とかね。
NVCの共感バディは、こういった評価やアドバイスを投下せず、話し手の感情とニーズのみをフィードバックしていきます。
共感バディのステップ2
聞き手のゆかさんが感情シートから、わたしが持っていそうな感情を返していきます。わたしもチェックします。
ふたりで見つけたのは、こんな感情。
欲求不満、残念・無念、怒ってる、敵意、悩まされる、複雑な、神経に触る、失恋のような、深く悲しむ、集中できない、切ない
自分で驚いたことに、嫌いと後悔はない。憎めなさと、すっきり感があるんだね。
ふたりでそれを共有したのち、ゆかさんがフィードバックをくれます。
(「共感サークル」という、より多くの人と練習する場では、このようなフィードバックをしないことも多いです)
ゆか「コミュニケーションが成り立たない相手への疲れを感じます。日常生活のリズムを崩されるのが好きじゃない。自分の考えた枠の中で遊びたかった」
レミ「そうだね。わたしの国家と、他の人の国家があって。わたしの国の遊び方で遊びたい、はある」
その上で、ゆかさんは「彼へのオープンハートな感情も聞こえます」と、ポジティブな感情をたくさん返してくれます。
わたしはメモも取れないほど驚く。
(そんなもんあるか?聞こえるの?わたし、気づいてないけど?)
なにかあるらしい、わたし。
共感バディのステップ3
次にニーズシートを使い、ふたりで特定した感情の裏側に張り付いてそうなニーズを見ていきます。
ニーズとは、願いや命の本質のようなもの。感情が揺れ動くときには、このニーズからの訴えかけがある。と、NVCでは考えています。ゆかさんが類推したわたしの満たされなかった・満たされていないニーズはこんな感じ。
思いやり、平等、理解、真実味、独立、自由、ユーモア、受け入れてもらうこと。
ゆか「平等な中で天秤のように釣り合う。精神的に平等であることが大事に聞こえたよ」
レミ「mature(大人として成熟している)であることは大切にしている」
私もニーズシートをサーチします。
わたしが感じる、満たされていないニーズは、
効率性、心の平安、スペース(余裕)、生活のstability(安定性)。
それから
コミュニケーション
これは体にズーンときます。一番大きそうです。
そして、彼とお別れすることを選択したことで満たされたものもあるなあと気づきます。
自己表現、awareness(悟り)、learning(学び)、discover(発見)、exploration(探求)。
そしてSense of selfというカテゴリーにあるすべてのもの↓
Authenticity / 本物であること
Competence / 能力
Dignity / 尊厳
Growth / 成長
Healing / 癒し
Honesty / 正直さ
Integrity / 誠実さ、品位
Self-Acceptance / 自己受容
Self-confidence / 自己確信
Self-Care / 自分を大切にする
Self-Connection / 自分とつながる
Self-Realization / 自分を知る
だいぶ痛くていい刺激で、自分を深く知るいいプロセスになったから。
また、ゆかさんがポジティブな感情をかぎ取ってくれたことで、彼がいたことで満たされていたニーズがあったことにもきづきます。
Joy / よろこび、歓喜
Play / 遊び
Pleasure / 楽しみ
Rejuvenation / 命の力がよみがえる
それから、愛情のカテゴリーにあるすべてのもの↓
Appreciation / 感謝
Connection / つながり
Harmony / 調和
Intimacy / 親密さ
Love / 愛
Unconditional Love / 無条件の愛
Sexual Expression/性的表現
Support / サポート
Tenderness / 優しさ
Warmth / 暖かさ
そうだ、彼との関係で満たされていたたくさんのニーズがあったことを思い出す(忘れてた)。
ここにまとまってます。55個!

さらにキラキラ輝いて見えるニーズもあります。
aliveness(生き生きさ), beauty, flow, intensity(いのちの濃密さ), stimulation(刺激), creativity.
そうじゃん。それがわたしの生きる意味の根幹だった。
どう、さらに楽しく遊ぶか。
こんな記事も書いてました。もっとめいっぱい遊べると思っていた。

もうちょっとかわいく言えば。ひとこと「好き」っていってほしかった(高校生か)。言わなくてもわかるけど、ふたりの間にあるものを言語化してコミュニケーションを続けたいし高めたかったんだなあ。とぼんやりしていると、さらにさらに。
自分の本質みたいなものに、「愛したい」のニーズがあることに気づきます。英語だと、Service(愛からの奉仕)が近い。
ニーズシートにはありません、今きづいたから。Contribution(貢献)とSupportとLoveが重なり合うあたりに出現するニーズのような気がします。
好きな人をあがめて幸せにしたい、お世話をしたい、喜ぶ顔を見たい、肉体的にも精神的にも。
彼には料理をすることが楽しくて、レシピも残してます(笑)


そして、元夫やBFたちもそうだったんだろうなー。
ただレミを愛していて幸せにしたい。そして、わたしが受け取らなかった。
なぜならストライクゾーンが狭いから。

ひとりではとてもここに到達しないけれど、ふたりで見るからの多面的で深い気づき。
そこに気づけたら、彼への執着が抜けました。
(っていう記事をもう何本も書いてるんだけどね(笑))
好きだったんだね、ってことでしかない。
思いがけず好きになりすぎて、もっと愛し愛されて遊びたかった。そのことに残念さがあって、後悔はない。なぜなら私は彼の(非暴力的でない)コミュニケーションスタイルを私の人生には絶対に受け入れられないし、彼に私へのコミットがなかったから。
それっくらいのこと。
人生は長く、これからもきっといくつかの両想いがある。
サーフィンや旅や、彼としたかったたくさんのことがある。
けれど、NVCではニーズは特定の個人とつながらない、と言われています。
わたしには恋のニーズがある。上の記事にある55個ものニーズが満たされるロマンスが大好物。
そのニーズは、他の人や他のことで満たすことができる。
という客観性を得るから、執着を手放せるのだと思う。
そういう意味では、NVCって仏教的だって思ってます。
こだわり、思い込み、コントロール(=自分の描いたシナリオ通りに世界を動かしたい)を手放し、運命を甘受する。
そのことで、新しい可能性にどんどん開いていける。
脱執着の技法とも言えます。
完全に手放せるまでもう少しかかりそうだけれど、何度もこういうプロセスを踏んで、だんだんと感情を消化していくことができるでしょう。
写真は、オーストラリア。パーマカルチャーの大御所、ジェフ・ロートンのおうちで息子と友人のボブ(日本人)。
ひとりで泳ぐにはちょっと怖いような池だけれど、ボブがいてくれるから安心できました。バディを持とう、いつも!