「夫とお金の話ができない」をNVCする:無敵の共感コーチ・フランソワ・ボーソレイユとのデモ

フランソワのこと

東京アーバンパーマカルチャーという愛と平和の活動をしています。仲間のソーヤー海くんと私の「Non-Violence(暴力的でないあり方)」の師匠のひとりがNVC(Non-Violent Communication)の高名なトレーナーであるフランソワ・ボーソレイユ。もともとはシルク・ド・ソレイユでパーカッションしていたアーティストでもあり、ロジックとアートの融合ができる人です。何日か生活を共にしたことがありますが、こどもに「シッダールタ」とつけるほどの仏教的に穏やかなふるまいと言動で、同時にフランスの血を引く芸術や情熱を大切にしているところも人間らしくてダンディー。尊敬してやまない、大好きなトレーナーの一人です。

彼の「Empathic Coaching(共感的コーチング)」はクライアントに優しく寄り添いながら、大きな癒しを生み、と新たなストーリー(人生)にシフトできるパワフルなもの。離婚して一番辛い時期に個人セッションしてもらった時は、大きな回復点になりました。必要な方はフランソワのサイトにアクセスを。通訳が必要な方はFacebookのNVCコミュニティで見つかる可能性が高いので、投げかけてください。

2015年12月にフランソワが来日した際に、WSの中で扱ってもらった自分のセッションの様子をシェアします。フランソワの持っている手法は、NVCとコーチングをハイブリッドして短時間で人生を変容できるように洗練を繰り返し、再現性の高さが目指されています。
これは2日にわたって東京で彼が教えた「共感的コーチング」の中の「過去と未来のシークエンス」というワークです。(また日本でやってくれないかなー、なんど受けてもいい♡プロセスはシンプルですが、使いこなすのに経験値がいると感じました)

過去に持ってしまった「信念・思い込み(belief)」を新しいものに書き換えるワークです。
だいたいNVCのデモンストレーション(デモ)では、インパクトレベル10のうち3くらい軽めのトピックを選んで話をします。
私は「3」だと思って話し始めます。
お題は「夫とお金の話ができない」
家計の金額が大きくて、毎月赤字です。夫が事業経費の建て替えも大きく、不足分は私の資産で負担しています。夫とその話が上手にできず、夫のお金の使い方が改まりません。

はじめに、私には「それは彼のお金だから、私は言わない」というbeliefがあることを見つけます。
書き換えを行いたいのは、彼に向かって「これ(この話)がなきゃ始まらないでしょ」って堂々と言ってる自分の状態。彼のお金じゃないし、伝えてもいるけど、根っこにこの思い込みがあるため、現実の言動と私に一致感がないのか、関係性に変化が起きないままずっと来ています。

セッションの手順については、日本のオーガナイザーから詳細を公開しないようにお願いされているため、ここでは個人的な体験のシェアにフォーカスして書いています。フランソワのサイトに、著書やリソースのフリーダウンロードがあるのでご利用ください。見つけた時感動しました。こういう惜しみない愛の世界が、NVCワールドの魅力で、私とソーヤー海くんが引き継いでいるところです。

未来と過去を見るプロセス

まず、未来の自分を見に行きます。
フランソワのプロセスはとてもよくできていて、体を使って見に行くためか、ほとんどの人とトピックに機能します。が、この時の私にはどうしても見えませんでした。あれれ?お先真っ暗かー。。。

いったん未来はそのままにし、過去の自分を見に行きます。「それは彼のお金だから、私は言わない」というbeliefを持ってしまった頃までどんどんさかのぼっていく。
すると、見えたのは意外にも、小学生くらいの自分。
母が学校の集金のお金を用意してくれず、困っています。
母は、一代で100億くらいのお金を動かした実業家で、バブルの波に見事にのまれ財を作り、失いもした人でした。
一番きつい時は、日に300万の「利息」を返済していたそう。
「毎朝起きると、今日も300万返さなきゃって思った」と、母の死後、腹心の女性から聞きました。
母はそんな話は子供にはしませんでした。
死後、数十年分の資金繰り表の細かなエクセルを見て、扱っていた規模の大きさに呆然としました。

私から母への評価は、「究極のどケチで、安物買いの銭失い」
例えば、自分の毛皮のコートは銀座で買うけれど、私の学用品のコートは買いたくない。(毛皮も含め、きない服がどっさり)
買わなきゃいけないものは、百円でも安く手に入れたい。期日に間に合わなくても、子供が寒い思いやみすぼらし思いをしても気にしない。
母の後を継いで経営者をした経験から思えば、キャッシュフローは大変だったのだと思います。
大企業のサラリーマンだった父が「給料日にATMに行ったら7,000円しかなかった」って愚痴をこぼしていたことも思い出します。
理由は不明ですが、学校や習い事の支払いは基本的に遅れていました。
私のせいではなく、どうすることもできなかったので、先生たちに謝ったり、申し訳ない思いや恥ずかしい思いをたくさんしました。いま書いていても泣きそうになります。私はそんな思いを息子にさせたことはない。というか、集金袋を私に渡さなくて、先生から電話があって謝ることがほとんどです・・・結局謝ってる。。。

NVC的共感プロセス

母のことが原点だったことは驚きでした。
その困っている小学生の自分をじっくり味わいます。
その自分が感じているのは、怖さ(scary)と混乱・困惑(confused)。
気が強いので、強い怒りで母に返しているし、何度もそんなことがあってうんざりしています。そこにあるニーズをフランソワと見ていきます。
mattering、care。
大切にしてもらうことと、世話してもらうこと。

通常、ここからプロセスが進むのですが、自分が憎しみの眼鏡をかけてると感じて、先に進めません。

ご参考まで、後日自分でやったインチャイに、こういうプロセスもありました。お母さんとの、小さな自分との関係解消が必要な方どうぞ。プロセスあるのでやってみてください。

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NVC的デモセッション

NVCにはインナーチャイルドなど、いろんな潜在意識を扱うワークとの統合がされています。一流のNVCトレーナーは、こういう個人カウンセリングのデモを公開で即興ででき、このライブがおもしろいし、扱っているその人だけでなく、目撃している他の参加者の学びにもなります。
私が外タレ(海外のNVCトレーナー)のWSに行く時は、このライブを楽しみにしています。ホルヘ・ルビオ、サラ・ペイトン、ロキシー・マニング、キャサリン・ジンガーなどのすごいデモを思い出スト、今でも人の命の輝きにゾクゾクします。

私のデモは私にはパワフルでしたが、正直、他の方の役に立ったのかは私にはわかりません(インパクトが強すぎたと思うから申し訳ない 涙)。フランソワが持ってきたセッションのプロセスのパワフルさは伝わったと思います。私のそのエネルギーと、NVCがほんとうには何ができるスキルなのかという魅力を伝えたくて、この記事を書いています。

さて、ここからがすごいところ。ここで、フランソワは私の亡き母を演じます。
「ただし、このお母さんはNVCスキルがある(=共感力の高い)お母さんです。言いたかったことをなんでも言ってください」

私は激しい怒りをぶつけ、母(フランソワ)は、私情や言い訳を挟まず、徹底的に私の感情とニーズで返し続けます。理解と愛がだんだん私にも伝わってきます。

「私が他の参加者だったらドン引きするね」というくらいの憎しみや怒りを泣きながら表現しきり。言いたかったことがすべて言えた私はスッキリ。そして「私は、あなたとは違う。反面教師として感謝してる。あなたのようにはならない。私は私のやり方で、家族と地球を幸せにする」といった感じの強い決意を言ったように思います。
怒りとは違う、「自立」「主体性」のような状態にシフトしていることに気づきます。
ちょっと、、、何とも言えないすごい感覚。です。お伝えしづらいのが残念。

セッションの最後、母の「役割」を終えたフランソワが「コーチ」として優しく声をかけてくれます。「大丈夫だった?とか思いがけず大きなものに出会えたね、よくがんばったね」みたいな言葉だったかな?

そこで私は、あるエピソードを伝えます。
「そういえば、母が亡くなった後に、母の腹心だった男性が ”レミは、私とは考え方が違うけど、自分らしく自分の道を切り開いていて、誇りに思ってる”って母が言ってた、って話を思い出した」

「”母” としての自分もほとんど、そう言いかけてた」と、フランソワ。

“母” への憑依っぷりは本当にすごくて。ああ、母がこんなだったらどんなに良かっただろう
その「NVC的母」のあり方を体験したから、私はNVCを自然にできる母でありたいと、毎日NVC修行をしています。完璧はないけれど、1秒でもそうあれる時間を増やしていきたい。
子育てNVCの決定版はこの本!ぜひお読みください。

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フランソワは「”コーチ”としてではなく、”母”として共感する。それは通常とてもパワフルです」と。

3/10くらいのレベルの話をしたはずなのに、こんな大げさなセッションになってしまったことへの恥ずかしさもちょっとあって、その後、私は放心。床に倒れこんでしばらくお休みしました。

この時フランソワが行ったすべてのデモがすべてパワフルでした。その翌年には私は離婚をしていたので、来日時に個人セッションしてもらい。これがまた・・・1箱ティッシュが鼻水と涙になる、感動と変容の体験でした。録音してあるので、いつか生きてるうちに公開できればと思います。

写真は、このプロセスをしていた2015年12月の息子。
そうして母が資産と命をつないでくれて、この子の幸せがあります。ありがたい。
まだ途上ですが、いつか憎しみや恨みを浄化し、愛と理解と感謝だけを残して、私も世を去りたいものです。

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