2025年1月よりNVCクラスは年間プログラムになります。1/9よりクラス開校

感情のまま言葉を放たない。人間関係を破壊するから。代わりにどうするのか?

元来とても引っ込み思案なのですが、頭の回転の速い家族たちの中に生まれ落ち、ワンマン経営者の母に自分の意見を通すためには言葉をつくす必要があって、口達者に育ちました。
反射神経で言葉を返せるし、論戦にはめっぽう強い。
おっとりやの息子からは、6歳の頃から「正論すぎて反論できない」とギブアップされています。
おかしいと思ったことは即反論したり正義を通そうとするので、ティーンの頃から知らない人との争いも絶えませんでした。
ちまたで喧嘩していると「ねーちゃん、なに年なんだ?」「寅です」「どうりで強いな」と笑われたり、「そんな風に言いたいこと言えていいわね」「おかしいと思うことにおかしいって言っていかないと、おかしなことがまかり通った社会になっちゃいますよ?!」と返したりしてきました。
そんな血の気の多い私が、言いたい放題人生を方向転換し、エレガントで(かろうじて)愛され続けながらも、人のハートとつながることで、力づくではなくも、より自分の主張を通しやすいコミュニケーション方法を身につけはじめました。
それがNVC(非暴力コミュニケーション)。その快適さから私は「無敵のコミュニケーション」と呼んでいます。
誰も敵にせず、相手が受け取りがたいことでも気持ちを率直に伝えながら、相手とつながりやすい話し方です。

反応でコミュニケーションしないために、最初にすること

かつての私には「切れるスイッチ」が搭載されていました。今の私しか知らない人からは驚かれます。
すぐイラっとして切れてました(超めーわく)。あまつさえ「私をイラつかせる相手が悪い」くらいの開き直りっぷり。
NVCを学び始めて6年になり「切れるスイッチ」はいつの間にか撤去されてます。
ごくまれにトリガーされることはあるし、相変わらず苦手な人はいるし、苦手なパターンのコミュニケーションには近寄らないようにしています。そのことで心の穏やかさが守られている。
それでも、生きている以上、関係する人を選べないことがあります。
イラっとしたり絶望したりして「反応」からコミュニケーションを返しそうになる時があります。
そんな時って「正義は私の側にあって、間違っているのは相手だ」モード。
このモードで相手にコミュニケーションをとると、関係性がただちに悪化します(経験あるよね?)
はなってしまった言葉は取り返しがつきません。なので、絶対に「反応」からはコミュニケーションをしません。年に数回やらかして落ち込みますが、やんちゃな頃に比べたら5%くらいにおさまってます(驚異的!ありがとうNVC)

反応で返したいのはなんでか?その源流を探りに行く

私が反射神経で反応しまくってケンカしまくっていたのは、「すぐに言い返さないと負ける」というような価値観があったためです。
これは、終電で帰宅し、朝もほとんど会えない母に依頼ごとをする時に、短時間でパンチのある言葉で説得しないといけない「エレベーター・ピッチ」的な必要性から生じたもの(ええ、家庭です)。一期一会のこの瞬間に確実に説得しないといけない、と思っていました。
ケンカっ早い人のメンタリティには「負けたら終わりだ。自分の正当性が侵される」というような質感がある気がしています。
大人になるにつれ、反応的にパーンとコミュニケーションしていることが、暴力を生み出していることにも痛いほど気づいていきます。きわめつけは1億5千万円規模の事業をしている経営者だった時、アスペルガーや多動やうつ病のスタッフもおり、パートさんまで含めると50人くらいの人間模様を扱う必要があり・・・
当時はNVCをろくに使っておらず、パワーコーチングが気に入っていました。

反応をこらえて、踏みとどまる

あらゆるケースに反応し切れそうになるのを、リーダーシップのためにがまんがまん。人気コーチのロビン・シャーマが書籍で紹介していたこのマントラ(おまじない)を使って、なんとかやりくりしようと試みます。原典は東洋の経典かなんかだったと思います。

その言葉は、真実か。
その言葉は、言う必要があるか。
その言葉に思いやりはあるか。
その3つの門をクリアした言葉だけが世に放たれてよい。

3つもあると使いこなすのが難しくて。よっぽど余裕があるときしか思い出せず。中途半端にきれたり、ためたりして、ポリープできたり慢性の緊張性頭痛で薬が手放せませんでした。

最近はこちらのサミュエル・ジョンソンの言葉が気に入っています。18世紀のイギリスの天才文筆家です。NVC的なアプローチをシンプルに言い表していると思います。

Never trust your tongue when your heart is bitter or broken.
Hush until you’re healed.

Samuel Johnson

(意訳)あなたの心に苦々しさがあったり、傷ついている時には、あなたの口を信じることなかれ。完全に癒えるまで、沈黙を守ること。

反応の代わりにするのは、自分の内側を見ること

NVCは「非暴力」的なコミュニケーションをするための技術。反応で相手に言葉を投げつける暴力を行う代わりに沈黙をとります。その間はぼんやりしているわけではなくて、反応したい自分の内側でなにが起こっているのかを見ています。「自己共感(セルフエンパシー)」と言います。
反応大魔王のケンカっ早い私ですから、NVCをはじめた時はこれがまだるっこしくてしょうがなかった!
苦手だったし時間の無駄に思えました。
しかし、この自分を癒す時間はほんとうに大切で、身につけるべき最高のスキルでした。

長くなったので、どうやるのかは、また今度。

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癒しと明確さが満たされると言っていただいています。

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