NVCでは、コミュニケーションの奥にニーズというその人が大切にしている価値観のレイヤーがあると考えています。人のすべての行動は、何らかの形でニーズを満たそうとする手段である。と。
経験的に、多くの人が重要視するニーズにはこんなものがあります。
- 愛
- サポート
- 聞いてもらうこと
- 理解してもらうこと
- つながり
ニーズは特定の人や状況に依存せず、すべての人が持っていると定義されています。
トレーナーによってレッスンで使うニーズは少しずつ違います。私の一覧はこちら。
だいたい100前後選ばれることが多いニーズ。その中には、人によってはピンとこないニーズもありますし、ニーズに持っている質感も個人差があります。
たとえば私は「成長」というニーズの感覚をつかむのに随分時間がかかりました。学校教育的な嫌悪感があったからです。今では大好き♡
なげきのニーズ
ニーズの質感は個人差がありますが、その中でも「これって・・・ニーズなんですか?」と聞かれることが多いのが「嘆くこと・悼むこと/Mourning」というニーズ。
英語辞書でMourningを見ると〔死者や遺族への〕哀悼、悲嘆とあります。
く・・・暗い。これ、必要?「感情」じゃないの?
ニーズなんです。見ていきましょう。
Mourning(モーニング)より、もう少しマイルドな言葉にGriefがあります。日本でも「グリーフ・ケア」という言葉が定着してきていますね。
NVCトレーナーには「Mourning/Loss」と「Grieving」を別々のニーズとして立てている人もいます。
ここでは、グリーフで説明していきます。
こちらのティーン向けの女流作家さんの詩からの引用で。
Grief, I’ve learned, is really just love. It’s all the love you want to give, but cannot. All that unspent love gathers up in the corners of your eyes, the lump in your throat, and in that hollow part of your chest. Grief is just love with no place to go.
― Jamie Anderson
(意訳)私の経験では、「なげくこと/なげき」とは本当にただ愛なんです。あなたが与えたかったのに与えることができなかったすべての愛。その使われることのなかったすべての愛が、目のふちに集まり、のどでつまり、胸に空洞をつくる。「なげくこと/なげき」とは、行き場をなくした愛のことです。
ージェイミー・アンダーソン
いかがでしょうか? 「愛」のニーズの変異体としての「なげくこと・いたむこと」でした。深い失恋をした時や、大切な人を失った時に、時間をとって悲しみを消化しているとある穏やかな境地にいたる瞬間があるかと思います。
生きているからには喪失はつきものです。その中にある美しい輝きに触れる時、浄化のさわやかさや優しさのようなものに触ります。
なげきの例
私にとって、「なげくこと・いたむこと」はこれまで仲良くなることができないニーズでした。が、おととい、デートしていた人とお別れしたことがきっかけとなって過去の未消化ないろんなこととつながり悲しみがあふれて夜泣きに泣き、毎朝恒例のクンダリーニヨガしながら泣き、すぐにオンラインクラスで教えるというのに泣きはらした顔。
そんな状態で冷蔵庫を開けたら、食材どーん!
週末彼が来る時用においしいものをつくって、お土産もいっぱい持たせてあげよう♡と思っていたあれこれです。
その時「ああ、私はただ愛して与えて、できる限りの愛を渡したくてしょうがなかったんだなー」と気づいたのでした。ストンと気持ちがおさまる感覚がしました。「源泉掛け流しで愛を与える」がテーマなもので・・・
顔は腫れてるし、気持ちはぐちゃぐちゃのままオンラインクラスに入ります。
自分とみんなを整えるために誘導瞑想からはじめます。すると美しい即興の誘導が降りてきて、それは気持ちの良い時間に。20代の生徒さんからは「宇宙にぴゅんと飛んでいける感覚があって新感覚でした」とご感想をいただきました♡
そういえば私は恋愛が好物で、分析すると一種の悲恋願望のようなものも混じっています。なんなんだろう、効率悪いって思ってきました。もしかしたら、ニーズ「なげくこと、いたむこと」の浄化のさわやかさがこっそり好きだったのかも♡わかってみたら扱えるので、これから恋愛との関係性が大いに変わっていきそうです、わーい!
冒頭のきったない写真は、そんなボロボロ状態のわたし。撮影はRAS®のセッションをずっとしてくれているトレーナーのおかなおちゃん。この後5時間に及ぶセッションで、2500年前からの重いやつを外していただきました。そのまほう話はまた今度!
悲恋願望については、もう少し掘り下げた記事を後日書きました。