理解が難しい人と一緒にいる意味:私たちの中にある光は、彼らなしでは決して見えない〜NVCで読みときます

家族、クラス、職場など自分では環境を変えにくい場所で、話が平行線になり噛み合わない人とのやりとりで悩んでいる方からのご相談をよく受けます。
基本的な価値観は近しくて、得意領域や行動パターンが違うことに魅力を感じ、補い合えると結婚した相手や、生まれ落ちた両親がそういう相手だと悩みが深いです。
日々の生活の中で「差」が「どっちが正しいのか競争」に成りかわり、
パートナーの場合は、もはや基本的な価値観がそもそも違っていたという結論になり「音楽性が違う。この結婚は失敗だった」と合意して、次へ進むこともできます。
両親の場合は、関係をより切りにくいので、怨念がたまったり、暴力的に関係を切る方もいます。
パートナーシップで考えることがあったので、例にとり共感的に分析してみました。

好きな人が苦手な人になるとき

離婚したあと何度か恋をしました。好きになる人にパターンがあるのか、似たようなつまづきをします。
仕事のできるエリートが好きで、「建設的批判力」や「課題解決力(特に火消し力)」の高い人に惹かれます。
私もそういう人のためか、パートナーシップとなると、そこでぶつかることが増えます。
ほんとうは好き合っているから、合意できる地点を探せばいいだけなのに、素直に感情でつながることが難しかったり、お互いのコミュニケーションが論理破綻をつつき合う攻撃的なものになったり・・・
なんなのかなあと考え続け、BFと別れたあと、体感で来たビジョンを絵に下ろしたことがあります。
(恥ずかしいけれど、勇気をふりしぼってシェアします)

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右から来ている強いエネルギー。
私には、彼のエネルギーはこのように感じられています。
こうと決めたら実行する、まっすぐなエネルギー。
そこに惹かれたのですが、関係が進むと、私の感情の動きとダンスしない感覚がありました。
私のエネルギーは左側の、常に変容する風の質感。
アーユルヴェーダでも、ヴァータ(風)の質が強いです。

風の質感をここまではっきりビジュアライズできたのは初めてでした。
彼の「まっすぐな強い」エネルギーの質を感じたときに、その差から自分の風の質をくっきりつかんだのでした。

私の質感はこんな感じ。
宇宙から自分に常時光が注ぎ込んでいることを感じていて、
その流れのある柱を軸に、風のように質が瞬間瞬間変化しています。
先祖や経験から得てきた宝石のような輝きがその質のネットについて輝いている。
変化するに応じて、キラキラと動きそれはきれい。
刻々と変わる命の流れのフローを最大限に味わって生きたい。
それが、譲れない私の命の躍動感。

それに対して彼からは「決めたスケジュールなのに変更する」など指摘が入る。
変化は、セレンディピティ/インプロで行動している私にとっては当たり前。
私を「形」あるものとして扱わないでほしい、という反抗的な感情も起きます。
「風」を箱に入れることはできない。
彼は、スケジュールを確定したら、あとは連絡もなく放置。
私には、生簀(いけす)に入れたからと安心して、餌も与えないで待ってろと言われているように感じ、怒りになります。

質が違う上に、彼が多忙すぎて違いを埋める時間を関係の早期に取ることができず、放置されている(とわたしが感じている)うちに、自分の中の彼への愛情と情熱と関心が変質してしまいました。
最後には彼が批判モードになってしまい、表面的な会話しか戻ってこず(とわたしは思っていて)心からのコミュニケーションができないままで終わりました。

shine a light within us

ま、違ったんだからしょうがないよね、と割り切る意図をもちながらも、「質が違うから切っていく」という自分のパターンに痛みも感じます。
後日、NVCトレーナーのデイビッドが語った言葉を発見し気づきがありました。
デイビットは合気道もする、生き様がピースなおじいさん。

一緒にいるのが難しい人、彼らは私たちの中にある光を光らせる人です。その光は、彼らなしでは決して見えない

油がみずからを油とわかるのは、水に落とされた時。
自分の「風」の質をこんなにくっきりビジュアライズできたのは、彼という異質な存在を感じたことが、きっかけ。
似ている人といるのは楽で楽しくてフローがあって最高だけれど、異質さ/異文化と出会うことで、自分のことがわかるってあるんだ。
同じ時に、NVCトレーナーのジェシーが「深い許し」と「癒し」の大切さについて語っていました。

所属していること(belonging)と受容(acceptance)。それらは感謝になる

「失敗したと思っても、互いが異質でも、そこにいていいんだよ」と受け止めること。関係性を絶つのは容易だけど、それをなるべく選ばないですむ関係性の質を探ること。
すべてはつながっているから。すべてはわたしたちだから。
「関係性を諦めない」とは、自分のニーズも相手のニーズも受け入れること。お互いのそれをし合えたら、おそらくその関係性は浄化され、感謝だけが残るのかもしれません。
頭ではわかっていても、痛みがあると難しいので、憶測ですが。

NVCでいう「ニーズ」は「欲しいもの」とは異なります。こちらに少し書いてあります。

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わたしのニーズ、あなたのニーズ

関係性を諦めないとっかかりは、自分が大切にしたいニーズと、相手のニーズを理解すること。
わたしのニーズは、自由、フロー、美、成長、自己尊厳。
躍動する命の流れに沿って、一緒に流れてフローがあるのが好きで、それが肉体がある意味なんじゃないかと思っている。
彼のニーズは、なんだろう?
信頼、一貫性、誠実さ・・・効率性・・・つながり・・・安定(stability)・・・秩序(order)?
わかりません。。。
少しでもエネミーイメージがある相手への共感ってできないものです。
または、私が自分の傷を守るために、無関心の殻を着ているのだろうなあ。
こういうバイアスがあると相手のニーズにつながれません。

NVCでは、プロセス化されたやり方がありますが、まだやる気にならないかな。。。

理想的には、お互いが自分に共感できて、その宝石のようなニーズを丁寧に相手に手渡し受け止めてもらうことができたら、優しさのある関係性が築けるのだと思います。
あるいは、間に誰か共感的に聞け、ふたりのニーズをつなげる人がいたら。

NVCのゴールはこの関係性の質にたどり着くこと。
頭で理解していても、批判合戦の中ではむずかしい。

後記

こんな中途半端なプロセスを出すのは、私がいつか彼のニーズに触れ、もう一度彼の魅力に(友人として)触れる日が来ることを信じているから。
必要なだけの時間がかかるから、何年かかるかわかりませんが。
奥底には、不思議な信頼や愛があります。(2019.03.08)

亡くなった母へのわだかまりが8年後にほぐれたお話はこちらから。

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後記( 2019.11.11)

この個性の違いは行動特性の違いで分析するとくっきりすると思うので、カップルカウンセリングでは、Strength Finderをお勧めします。
彼にも受けるようにお伝えしていたんだけど、時間がなかったみたい。
そういうフローや共鳴やスピード感が合わなかったことは残念。
彼からは「まず10年やってみたい」とパートナーシップへのコミットを提示されていたから、最初の繋がり方を大切にしていた。
私がスピード感やコクリエーションや理解し合うことや情報を共有しあうこと、を大切にしていることを大切にして欲しかったんだな。そして愛とつながりを深いものに育てて行きたかった。
彼は10年かけてゆっくり育てたかったかもしれない。
でも、関係性は1mmずつ10年で1cmになるものではなくて、スペースシャトル打ち上げのように、最初にガソリンのほとんどを使い果たし軌道に乗って、そこからは極端に燃費が良くなる。
ってものだと私は思っている。
そういう認識を関係の初期にすり合わせたかったのでした。
お互いがNVCできて、お互いの事情に共感ができると、行き違いが劇的に減ります。

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